【日時】:2020年1月24日(金)13:15 – 14:40
【場所】:倉敷芸術科学大学
EEE(川上研究室)では、シンガポールを拠点に活動するアーティスト、ホー・ルイ・アンの『Solar: A Meltdown(太陽のメルトダウン)』のスクリーニングを開催いたします。ルイ・アンは映像、インスタレーション、パフォーマンスを用いてイメージと権力の関係の変化を探り、グローバリズムや統治といった文脈で、それがどのように作られ、循環し、消滅するかを考察してきました。本作『Solar: A Meltdown 』は、ルイ・アンがアムステルダム・熱帯博物館を訪れたときに出会った、文化人類学者 チャールズ・ル・ローのマネキンの汗だくの背中から始まるレクチャー・パフォーマンスです。ルイ・アンはヨーロッパの植民地計画を支える「無意識的太陽」を映画やアーカイブ資料の中で表象される抑圧者、被抑圧者を通じて検証していきます。帝国の「背後」にある容赦のない太陽の日差しは、作中において「手」や「眩い白」に変換され「帝国的でグローバルな家政空間」を形成します。大航海時代の幕開けと共にはじまった、西洋による暴力と収奪に彩られた植民地主義は、今日においても大衆文化の中で、文脈を変えながら他者としての非西洋を生産し続けています。本作において語られる「歴史がなく、物語しかない」とされる「汗」や、グローバリゼーションの見えない「白人女性のスカートの襞」、循環し続ける労働の連鎖を象徴する「プンカワラ」は新植民地主義のもつ、近代化のシステムをも明るみにしていきます。
学生は、アジアの植民地主義をリサーチし作品を制作しました。