Guy Debord

「Guy Debord」のアイキャッチ画像

【日時】:2017年7月5日(水)~19日(水)
【場所】:倉敷芸術科学大学11号館展示場「Zone」

【日時】:2017年7月5日(水)~19日(水)
【場所】:倉敷芸術科学大学11号館展示場「Zone」

あらゆる領域で人々に押し付けられている生活条件と、それを変革する実践手段とを、大多数の大衆が意識することから以外には、何も期待できないのである。(ギー・ドゥボール)

E E E(川上研究室 現代アートプロジェクト)では、フランス文学研究者でドゥボールの翻訳者 木下誠氏の協力により、『ギー・ドゥボール —シチュアシオニストの地図製作法(漂流、心理地理学、状況、映画)』展と公開授業を開催しました。

大量消費社会の到来によって都市の姿が変形されていった1950年代のパリで、ギー・ドゥボールは近代の都市計画において無視されてきた情動的効果を探求するため、仲間たちとともにパリを漂流し、その結果を一連の心理地理学的地図作品として製作します。この50年代の冒険は、後に『回想録』という転用書物と二本の中編映画作品によって再現されるとともに、スペクタクルの社会への根源的批判としてすでに作成されていた映像なき映画『サドのための絶叫』、1960年代の新たな政治芸術活動シチュアシオニスト・インターナショナルの経験を経て「状況の構築」理論を芸術的に実践した映画『スペクタクルの社会』、そしてその政治的実践としての68年5月「革命」へとつながっていきます。「新しい美は状況の美でしかありえない。」(『都市地理学批判序説』)ドゥボールの漂流も心理地理学的地図も転用も映画も、すべてはこの言葉を実践した「作品」として理解されうるでしょう。本プロジェクトは、これらの「作品」を地図・書物の展示と映画の上映によって総体的に体験すること目指しています。ドゥボールの文化批判における基本戦略は、以後のアヴァンギャルド理論を決定づけ、都市空間における能動的行動と社会関係を探求する今日のアーティストにも、絶大な影響を与えています。

ギー・ドゥボール(1931 ー94)
フランスの思想家・革命理論家・映画作家。レトリスト・インターナショナル(1952-57)、シチュアシオニスト・インターナショナル(1957-72)の中心人物として前衛芸術=政治運動を牽引。著書に『スペクタクルの社会』などがあるほか、生涯で六本の映画作品を作成した。

上映作品
1. サドのための絶叫1952 年64 分
2. かなり短い時間単位内での何人かの人物の通過について1959 年 19 分
3. 分離の批判1961 年18 分
4. スペクタクルの社会1973 年88 分
全作品仏語 日本語字幕付き

Translate »